パナマ文章報道最大リーク分析76カ国の記者参加
中米パナマの法律事務所から流失した内部文書「パナマ文章」に基づく報道が、各国首脳や著名人の不透明な金融取引を次々に暴き、世界を揺るがしています。異例なのは、日本を含む76カ国の報道機関やジャーナリストが協力して分析や取材を進め、同時に報道をはじめたことです。
世界中のブンやさんは、スクープを狙っています。有名なピューリッツァー賞は、新聞等の印刷報道、文学、作曲に与えられる米国で最も権威ある賞です。コロンビア大学ジャーナリズム大学院が、同賞の運営を行っています。
アメリカ大統領の不正を暴いたウォータゲート事件が記憶に新しいのですが、ジャーナリズムの中でも、アメリカ合衆国国内の新聞社や通信社の報道機関のみが対象であり、テレビやラジオ等の放送ジャーナリズムは対象外であります。もちろん外国人には、適用がありません。
前回の小欄にも書きましたが、パナマ文章はパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した内部文書です。内容を精査しているICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)によると、約40年間の金融取引が記され、計140人の政治家や公務員の名前が含まれていたと言います。
文書には21万4000の企業名が、記されていて、こうした企業は「オフショア企業」と呼ばれ、匿名性が高いために税金逃れや犯罪資金の秘匿などに使われやすいとされています。
パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」は、英米中国など世界35箇所以上に事務所を展開し、「オフショア企業」管理では世界第4位というから悪の根は深い。世界各地から、顧客を集めています。需要があるところに、供給しますと言わんばかりです。
これまでに、アイスランドのグンロイグソン首相や中国の習近平最高指導者の親族、英国キャメロン首相の亡父、サッカーアルゼンチン代表メッシ選手ら名前が出てきています。日本人の名前は、セコム創業者の飯田亮氏と故戸田寿一氏。日本の政治家や、公職者は見当たらなかったと朝日新聞は伝えています。
そもそも事件の発端は1年前に、ドイツの全国紙「南ドイツ新聞」で調査報道を担うバスチアン・オベルマイヤ記者に、暗号化チャットで匿名の人物が接触してきたことから始まり、今でも誰も知らない情報源とされています。
南ドイツ新聞によると、パナマ文章を受け取ったICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)は、専用データベースを構築し、契約書やパスポートの写し等の画像はOCR(光学的文字読み取り装置)でテキストデーターに変換して検索可能にし、大量のデータを隅々までチェック出来るようにして結果を出している。
日本のメディアにも、朝日新聞と共同通信に声がかかった。朝日新聞へは今年1月から協力の打診があり、文章に記載のある日本人へ取材をしたそうな。当人に取材することで、文章が本物であることは裏付けられたという。
朝日の編集員は、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)との連携について、「全く新しい情報源につながることができ、従来とは違う手法や価値観を学べた。例えば、私たちは「違法でなければ書けない」と考えがちだが、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)や欧州のメディアは今回、違法かどうかにかかわらず問題提起し、社会を動かした」と。
まず、脱税は許しがたい。税金を払わない者は、横断歩道も渡るなと言いたい。払えない人は許すとしても、払える立場の人が払わないのは、許しがたい。次ぎに、世界のメディアが連携をして情報を精査し、裏付け取材によって情報の信憑性を証明している。
誤魔化す方が、手の込んだ方法を使うなら、それを暴き追徴金や懲役刑送りを立証する証拠も、世界人類の英知でゲットしてもらいたい。いろいろな意味で、私は「パナマ文章事件」が、世界の動きを変えるきっかけとなるように思う。