内藤雄さん逝く
恥ずかしながら本店の私の机の上下は、バミューダー海域と呼ばれていて、一度物を置くと1年ぐらいは出てこないと言われています。新築三条店のオープンのせいでもないのですが、このところ自分でも心配するほどバミューダー海域に書類が貯まっているのです。見てないのです。
それを束にして、新三条店へ持ち込み、暇に任せてFAX等書類を読んでいました。直近の送られてきたFAXは、プリントアウトせずにパソコン画面で内容を確認し、必要な物をプリントアウトし、半分以上は出力しないまま削除しています。しかしまだ初秋からのFAXは、紙情報として残っています。
その中に、東京アプレイザルニュース№206がありました。「追悼・・・内藤雄氏逝去」というFAXです。また野口レポートにも、内藤雄さんの悲報がありました。これも読んでいませんでした。野口さんのところへはすぐに電話を入れましたが、営業時間外でした。
内藤雄さんの講義は、私も何度か聞いていましたが、話の内容は深いものがありました。もう5年くらい前になりますか、内藤雄さんが私の懇願に応じて髙松までお越し下さり、香川県不動産会館で「借金と相続」の講話をして頂いたことがあります。
香川県不動産コンサルティング研究会のメンバーが、それを聞いていました。内藤雄さんの初めての四国入りということでした。讃岐うどんを、実に美味そうに食べていたのをよく覚えています。同時に語り癖というか、決してハイテンションになることはありませんでしたが、語りが熱くなるのです。
内藤雄さんは、中央大学を卒業して、司法書士資格に挑戦する街の不動産屋さんでした。彼は相続アドバイザー協議会で、人間としての尊厳を見出し、副理事長の1人として、「借金と相続」の講座を担当するなど、すばらしい人間性を発揮した人です。彼は街金の当事者でもありました。それも隠すことなく、坦々と業界から見た視点も教えてくれました。
自らが街金の貸主であったが為に、借金まみれの相続の解決策を語ると右に出るものがありません。相続という心地よい響きは、プラスの相続財産を相続することからの快感であり、マイナス財産である借金を相続する場合は地獄です。では相続放棄をすれば良いではないかと単純に語ってしまうのですが、マイナス財産である借金の存在は、そう単純ではないのです。
相続は10ヶ月、放っておけば単純相続として、プラスもマイナスの財産も相続することになっています。相続放棄となれば、期日までに法律で定められた手続きをする必要があります。何もしないとアウトです。
内藤雄さんの技をここに綴ることはとても出来ませんが、がんと闘いながら、抗がん剤を止め、病院ではなく自宅で家族とともに自然で穏やかな生活をすることを優先し、9月22日明け方に旅立たれたそうで、10月3日まで奥様は伏せて密葬したとのことでした。
「関係者には一切連絡するな!」という故人の厳命のもと、全国の内藤雄さんのファンに負担をかけまいと言う配慮に、また涙が止まりません。月曜日から上京します。相手の都合を聞いて、出来れば髙松からの線香を仏壇に、合掌が叶うなら行ってみます。