第3655回

特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構設立記念講演会

先月25日に、標題の機構が香川県から俗に言うNPO法人として認可を受けて、本日その披露会が開催されました。「定期借地借家権」とは、通勤通学に使う「定期券」だと思ってくれたら良いとは、江口正夫弁護士の解説です。実に分かりやすい表現で、その有効期間(契約期間)だけは何度でも有効に使えるが、期間を過ぎたら終了するというものです。

よく知る人には、「いまさら定借とは古いね」と言われそうですが、そうなのです平成4年の「借地借家法」改正で誕生した定期借地法は、今年もう20歳になります。その後追加された定期借家法でも、12年が経過しています。

定期借地権は、幹線道路沿いの大型店の敷地として活用が進み、今では大型店の出店は殆ど全部がこの「定期借地権」を活用した案件です。土地を取得することなく、店舗を建設することが出来るために、初期費用が格段に安くなります。無理なく計画が出来ることになります。

そして途中の改正で、店舗などの事業用借地権は、10年以上50年未満に改正され(過去は10年以上20年未満)、一段と使い勝手が良くなっています。20年未満というと、鉄骨造の建物の償却と合致せず、経済的合理性に欠けると言われていました。

一方「定期借家権」は、これまで殆ど使われていませんでした。これは業界の勉強不足だと私は何度も繰り返し申し上げてきました。一番に言われることが、「更新がない」ことから契約の期限、例えば2年が来たら出ていかなければならないからだと言われます。これはある意味誤解です。

確かに定期借家権は、更新がありません。従って契約は終了し、入居者は出ていくことになりますが、「再契約」を法律は禁じていません。ある「一定のルール」を守ることを条件に、再契約を約束するというウルトラCの契約書が用意されています。これだと心配はない、むしろ選ばれた人だけが暮らす快適空間が作れます。

「一定のルール」とは、リフォームが予定されている場合とか家賃の滞納が2回~3回あった場合とか、夜間に大騒ぎをするような人とか、ゴミ出しなど館内ルールを守らない人とかおよそ入居者としていてもらっては困る人です。こういう人に限っては、再契約をしません、それ以外の人とは再契約をしますという内容です。

これが業界で徹底すれば、100坪もあるような豪邸も借家として流通します。われわれ仲介業者としても、明け渡しの苦労がなくて、貸主もしくは相続人から責め立てられることもなくなります。法律施行後12年になりますが、このような至れり尽くせりの定期借家権が使われていないのが現状です。有効な資源の枯渇です。

特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構は、11名の士業を中心としたメンバーで設立しました。これから会員となるメンバーは、税理士・不動産鑑定士・司法書士・公認会計士・土地家屋調査士などと意識の高い不動産業者さんだと考えています。もちろんリフォームもありますから、建築関係も建築士と同じように入会も見込まれます。

温故知新ではありませんが、20年前に出来た定期借地権、12年前に出来た定期借家権の活用が今から進むと思います。その一助になれば、特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構誕生の意味があると考えるところであります。

本日お越し頂きました皆様、そして遠路講師としてお越し頂きました国交省調整官小林正典様、江口正夫弁護士ありがとうございました。また後援を頂きました国土交通省四国地方整備局、香川県、高松市、公益社団法人香川県宅地建物取引業協会、公益社団法人香川県不動産鑑定士協会など各位に感謝申し上げ終わりとします。

電話で相談 メールで相談