中古不動産流通市場活性化のための説明会


国土交通省担当官が、われわれ地方の不動産業者の代表を集めて熱く語る市場創設の訴えでした。国土交通省土地・建設産業局不動産課不動産業政策調整官小林正典という恐ろしく長い肩書きを持つ担当官でしたが、中古住宅市場を良くしようとする熱意は十分感じました。
会場はサンポートにある、「高松サンポート合同庁舎」13階会議室です。四国4県の宅建協会代表者に全日香川県本部から秋山誉志本部長が参集しています。その他10数名は企業から派遣された人達です。
「持続可能な国土づくりに向けて不動産業が目指すべき方向について」と題して、国交省の意見をまず聞きました。一つ口に言うと、「新築」から「中古」に政策の中心を移すということです。住宅の建築は、使われるアイテムが2000点とも3000点とも言われるくらい多いのです。
コンクリートから釘、アルミサッシュからクロス、住宅設備にあってはキッチン・バス・トイレと数え上げると3000点にも及ぶそうです。従って住宅建築が、GDP(国内総生産)に占める割合は実に大きいのです。故にこれまで国交省も、新築住宅建築数を重要視してきました。これは否めない事実です。中古住宅に言及したことはありません。
人口減少、少子高齢化、財政制約に加え、震災を契機としたエネルギー制約等の課題を克服し、わが国の明るい未来を築くためには、持続可能で活力ある国土・地域づくりの推進が不可欠だとしています。
危機の中の危機を契機とした「逆転の発想による成長戦略」の事例として、「拡大から集約へ」「官から民へ」「国内前提から海外展開へ」とありますが、私は加えること「所有から使用へ」、定期借地権の推進についても意見を述べました。「建築」は、土地無くして成り立ちませんが、所有でなくても土地は使用でも家は建ちます。
国交省は水平的(分野の多様性)かつ垂直的(現場業務から制度論まで)な所掌の広がりとして、省内各部局が連携し、その総合力を発揮。他府省との連携を積極的に推進すると説明がありました。是非ともお願いしたいところです。
その通りであり、国が重い腰を上げるのであれば、財務省(金融政策)や厚労省(安全安心基準)、総務省(不動産取得税や登録免許税等)など関係するすべての省庁を巻き込んで、長期的(ここでは継続可能という表現が使われている)展望を持ってREスタートして貰いたい。
そしてその象徴として、私は「△◆年住宅」と国の指針を示せと迫りました。これが市井においては一番分かりやすいのです。福田内閣の時のように、突然「200年住宅」と言われても、これまで築後20年で建物残存価値は10%と言われていて、にわかに実感はわきません。
例えば100年住宅と言えば、新築が100年であれば中古はあと何年持つから建物評価額は幾らと、消費者にも分かりやすい査定になります。もちろん中古住宅の価格査定にも合理性を加えようとしていますが、このメルクマールが非常に重大なポイントだと思います。
そして100年保つのであれば、新築ローンは50年とか、中古リフォームのためのローンも手厚く手当てするとか、国策としての横へ繋がる政策が求められるところです。よく比較されるアメリカでは、新築32万件に対して中古流通は491万件もあると報告されています。40年前は新築49万件に対して、中古161万件に過ぎなかったものが。
しかし、国土交通省の担当官が全国を駆け回り、アメリカの不動産流通システムを改めて視察し、この国のこれからの住宅を真剣に考えてくれている姿に、私は感動しました。「民間の力を借りたい。もっと言えば不動産業者の力を借りたい」と小林正典という男は言っています。