第3526回

石巻の宮本嘉二から河北新報の特集記事東北再生あすへの針路が送られてきた

毎度お馴染みになった宮本嘉二から、暫定社屋が間借りで完成して、来月から業務が稼働するという嬉しい電話がありました。併せて、地元の河北新報社がシリーズで「東北再生あすへの針路」第2部=提言・高台移住の促進を掲載していて、26日の朝刊ではついに〈高松で成功例〉が写真付きで掲載されていると知らせてきました。

気になって河北新報のホームページへ行って、宮本嘉二の言う記事を確認しました。⑸市街地再開発のツール/土地売買なくコスト減実現の記事に、彼がFAXで送ってきたのと同じものがありました。とは言いながら、ホームページに掲載する形態は、新聞のものとはスタイルが異なります。

内容は、⑴線引きの難しさ/転居か現地か揺れる心/支援制度地域に明暗(2/22)で、仙台市の南蒲生地区の集団移転の対象となる災害危険区域について、区域指定を受ければ国の防災集団移転促進事業が活用でき、被災宅地として買上や移転先の用地取得、移転経費補助などさまざまな支援がある。

しかし指定の線引きが、100メートルずれればこれらの適用がなくて、集団移転が出来ずにすべて自分達でやることになる不合理を解説しています。ここから河北新報社の提言として「高台移住の促進・定着」では、高台や内陸への移住を進めるための選択肢として、被災土地を自治体が一定期間借り上げる定期賃借権の設定を盛り込んでいます。

さらに高台移住した後のまちのデザインや、震災の教訓を伝えるための活動の大切さも訴えています。被災住民の意思を尊重しながら安全安心のまちづくりを進めるために、必要な取り組みは何か。現行制度の課題を掘り下げ、新たな選択肢の可能性を探った。(東北再生取材班)=第2部は8回続き

河北新報社が書いている「定期賃借権」は、「定期借地権」のことだと思います。1992(平成4年)に借地借家法が改正されて、新たに一定期間だけ土地を貸すこの「定期借地権」が創設されました。3種類ありますが、一番使い勝手が良いのは借地契約期間が50年以上と決められていますが、「一般定期借地権」と呼ばれる同法22条契約です。もう二十歳になりますが、やっと実務化へ動き始めました。

現在弊社で取り組んでいる「定期借地権物件春日町煉瓦の家」も、ここで言われている借地借家法第22条を使った物件です。そして今日宮本嘉二がFAXして来た高松市丸亀町商店街が取り組んだ再開発事業も、この定期借地権を使った成功例です。

いま定期借地権物件は、民間から鳥取県境港市が取り組む行政主体の開発まで、実に多岐にわたって登場し始めました。河北新報が提言するとおり、⑵時間との闘い/区画整理前に住民転出も(2/23)には、防災集団移転促進事業と並ぶ大きな柱の一つに土地区画整理事業があり、阪神大震災では兵庫県内の20地区で区画整理事業が進められて、完了まで地震発生から実に16年も要したと述べられています。

⑶もう一つの選択肢/定期賃借権、絆維持の武器(2/24)で河北新報社の提言は、自治体が主導で、事業主体となり、被災土地を30年や50年など一定期間借り上げる。(松野誠寛注釈:先の「定期借地権の説明で述べたように契約期間30年では事業用定期借地権法23条や建物譲渡特約付借地権法24条となり、用途等に制限が付加されて使いにくくなる。)

⑷埋もれた提言/省庁が難色、既存枠超えず(2/25)では、〈所有権を侵害〉として、高台、内陸への移住をめぐり「土地所有権の壁」が指摘されています。「土地所有権」の土地の集約や権利調整の難しさが、スピード感のある復興を阻んでいると書いています。「土地基本法」は、土地問題の憲法ですが、形骸化が進んでいまだに所有権の壁を破れていません。つまり「土地」は、本来公共の財産であるべきなのです

政府が設置した東日本大震災復興構想会議の検討部会でも、「定期賃借権で国が土地を借り上げ、まちづくりを進める新しい方策考えないと復興は難しいという委員の意見を取り上げています。ひつこい様ですが、ここも当然「定期借地権」です。

そして本日の朝刊の⑸市街地再開発のツール/土地売買なくコスト減実現の記事に繋がります。こうして読み進めれば、河北新報社の論調が明確にみえてきます。法律用語の間違いを除いて、河北新報社の意見は終始一貫して、私もこれを支持します。とにかく急いで、1日も早く復興の姿が見えることです。

構想では、甚大な被害を受けた市中心部の立町、中央両地区の11区画を市街地再開発検討エリアに設定。定期賃借権を活用して用地をまとめ、街並みをそろえた低層ビルを建設する。1階は津波に備え駐車場、2階は店舗、3階以上に商店主の住居や2000戸の災害公営住宅を整備する。

<被災程度に差>

(都市計画家西郷真理子)西郷氏は「石巻の大正時代の地図と今回の浸水域を重ねると、昔からの市街地は被災程度が軽い。スプロール化した市街地の被害が大きかった」と分析。被災地のコンパクトな再開発こそが、市民生活の安全につながると強調する。被災者は元あった場所で仕事をし、出来れば生活もしたいのです。

私も定期借地権を使った復興のスピードアップを、是非やって貰いたいと切に思います。先の丸亀町商店街振興組合理事長・古川康造さんは、構想から完成まで18年かかったと言います。しかし石巻は高松という手本があります。5年以内に、完成すると思います。少なくても概要は庶民の目に見えるようになります。

宮本嘉二もよくやっているが、河北新報社もなかなかの切れ者ですね。かねてより石巻へ行ったときにはよく目にしていますが、東京新聞中日新聞のように、「民の新聞」ですね。震災後直ちに壁新聞を出したのも確か河北新報?期待しています。

河北新報のホームページ http://blog.kahoku.co.jp/saisei/2012/02/post-28.html

定期借地権の一部改正 2007/12/14 小欄で取り上げています。 http://www.0011.co.jp/company/diary/index.php?e=323

再開発事業C街区 http://www.0011.co.jp/company/diary/index.php?e=1259

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