ヤマダ電機、スマートハウスビジネス強化のためエス・バイ・エルを買収
家電量販店最大のヤマダ電機は、一部上場住宅会社エス・バイ・エルを買収子会社化し、住宅事業に参入すると発表しました。株式公開買い付けを実施するとともに、エス・バイ・エルが発行する第三者割当増資を引き受け、子会社化する模様。
TOBでの買付価格は1株当たり62円。買付予定は8500万株で、議決権ベースで50.64%の取得を目指しています。買付代金は、52億7000万円を見込んでいます。また、第三者割当増資は、3500万株を引き受ける予定。TOBが買付予定の上限で成立した場合、ヤマダの出資比率は59.10%となると報道されています。
ヤマダ電機は、太陽光発電システム等を従来から店頭で販売していたのですが、今後は太陽光発電システム等を設置した、スマートハウス事業を拡大し、ハウスメーカートップを狙うことになります。これはえらいことです。
またエス・バイ・エル(S×L)は、老舗住宅メーカーで、木質パネル工法を主体とする高い技術力に定評があるメーカーとして全国展開をしています。全国多数の店舗で家電と一緒に住宅も販売となると、毎日多数の来場客に住宅事業のPRが可能になるわけですから、総合展示場設置の必要もなく経費削減にもなります。
ヤマダ電機は「省エネ」家電の積極的な提案や普及推進、太陽光発電システム提案による「創エネ」、自ら創り出した電力や余った電力を蓄え必要な時に使える「蓄エネ」の提案に注力しています。
昨年12月には電気自動車の販売を開始、今年3月には「ヤマダ電機スマート販売」を設立してスマートグリッド事業本部を設立し、これまで別個に行っていた太陽光発電・店頭でのオール電化・電気自動車の販売、中古住宅販売のそれぞれの事業を統合した多種多様なスマートハウス関連商品をトータルに、ワンストップで提供しています。
一方で東日本大震災による電力不足の影響から、全国的な省エネ意識の高まりは急速に拡大しており、同社グループとしてスマートハウスビジネスの事業展開のスピードアップが急務で、そのためには新築住宅を含めた住宅事業のノウハウの獲得が必要であると判断したようです。
実は私は、ヤマダ電機が住宅産業に参入しそうだというニュースは早くから聞いていました。小欄でも、「電化製品を収納するための住宅」をヤマダ電機が模索していると書いたことがあります。1日走った車が帰宅して、家の中の大型バッテリーに充電し、売電する日もそう遠い未来ではないと思っています。
「住宅に電化製品を」というこれまでの概念から進化しているし、住宅ハウスメーカーのみならず、家電業界、自動車業界、はたまた電力会社にも脅威でしょうね。もちろん不動産業界にも和製黒船の登場です。土地の評価、建物の評価、家電品の評価、総合評価がさてどうなるか、はたまた業界が存続できるか。