第2930回

グランドエキシブ鳴門から大塚美術館へ

せっかくのリゾートホテルも男4人では、会話もなく寝入るばかりです。というのは私のことで、布団を敷くなり、1~2分で爆睡だと言われました。お開きが24時では、白河夜船もいいところです。最近は少しよい子になって、早寝早起きです。

ところで目覚めて、窓からの風景に思わず声を上げそうになりました。まだ梅雨は明けていませんが、すばらしい朝が、そこに広がっています。前々日の「猫の大合唱」で、睡眠を妨げられた腹立たしさとは裏腹に、よく寝た私は満足な朝を迎えました。否、同室の十河孝男さん、乾篤之さん、太田明彦さんが快眠かどうかは疑問ですが。

当初朝食後は直ちに帰社して就業の予定でしたが、事務局長の三宅務さんから「人数の関係で・・・」となだめられて、大塚美術館への見学組に入りました。数日前には分かっていましたから、キャンセルした予定もありましたが、この判断は大正解でした。「情けは人のためならず」と「稲盛和夫塾長」がよく言われますが、その通りです。

大塚美術館は築後10年と聞きましたが、恥ずかしながら初めての見学です。もちろん出来たのは存じ上げていましたし、評判が良いのも聞いていました。しかし実際現物を目の当たりにして、その作品のすばらしさに感動です。

「陶板名画美術館」とは、名画をタイルのような陶板に描き写したものと私は解釈していました。それがこの10年という時間の経過であったと思いました。作品は、【原画】を等身大の大きさで写真撮影し、【転写紙に印刷】し、【陶板に転写】してから1200度の温度で【焼成】して、部分的に修正を加え(レタッチという)再び【焼成】して【陶板名画】が完成します。

要するに原画の等寸大コピーが出来上がり、それが風化せず50年100年1000年そのままの状態で見ることが出来るのです。これは画期的です。もう既に見られなくなった原画も、ここには燦然として元のままに輝いています。作品の息吹を感じます。

どうしてこんなことが出来たのか、案内役の理事学芸部長・岡村修二さんにお聞きしました。NHKに協力を依頼して、「バチカン」からまず許可を得て、徐々に世界中の25カ国200の美術館が所蔵する名画1000余点を、大塚オーミ陶業㈱の特殊技術により、原寸大で複製することに成功しました。

作品の一部は、10年ごとの「著作権使用契約」やピカソに至っては1年ごとの契約更新をすることになっているのだそうです。偉大な芸術家の子孫は、偉大なビジネスマンです。

地下3階の「システィーナ礼拝堂」からはじまり、「エル・グレコ」、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」から「ピカソ」まで、世界中のそれも今では現地でも見られないかも知れない名画がここにはあります。20年前、大塚製薬グループ創立75周年記念事業として、400億円を掛けたプロジェクトは、月額700万円の維持費からか入場料も高めの3150円ですが、「これを見ずして名画を語ることなかれ」と美術音痴の私でも思いました。

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