第2152回

日本のこれから、日本人のこれから・藤原正彦氏を迎えて

高松信用金庫経営者講演会でした。全日空ホテルクレメント高松に、800名程度を集めて90分ちょうどの講演会でした。

アメリカのグローバルニズムに乗せられて、日本は本来持っていた「国柄」を改革の名の下に壊してしまったのです。残念ながら国民が大挙して、「構造改革」という名のお題目の中で、市場原理主義を賞賛し、自由競争と称して、全国の郵便局を改廃してしまったのです。

最後の締めくくりで、新渡戸稲造の唱える「惻隠の情」を力説していました。『惻隠(そくいん)の情』とは、敗者や弱者をかわいそうに思ったりあわれむ気持ち、敗者や弱者への愛情・共感の情のことです。

日本人の特性である『情緒と形』とは、自然に対する感受性、無常観、もののあわれ、美的感受性や情緒など、日本人特有の感性によって育まれた、楓の色の違いを愛でる感性、慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠(そくいん)、名誉、恥などであり、それは一定の精神の形として、日本人の行動基準、判断基準となってきたのです。

江戸時代、武士は、権力と教養は、ほぼ独占していたものの、まるっきり金は持っていなかったし、商人ですら「金持ちであることは偉いことに関係ない」という意識が植え付けられていた。日本の文化や文学、そして、このような精神性の高さは、欧米人にとって驚きであり、日本が品格ある国家だったからこそ、開国時に欧米列強の植民地にならずにすんだのです。幕末日本を訪れた外国人は、日本人の絶妙なバランス感覚に、ひどく驚いたと書かれています。

そして、「日本は、金銭至上主義を何とも思わない国々とは一線を画して、国家の品格をひたすら守ることである」「時間はかかるであろうが、この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいないと私は思う」と結んでいました。

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