全国公示地価2年連続で上昇だが大都市の伸び鈍化
1月1日現在の、不動産鑑定士が決める(正式には国土交通省)日本全国の地価相場が発表されました。全国平均では、昨年に続いて2年連続の微増という結果になりましたが、われわれ実務家は、まだまだ底打ち感は遠いと考えています。
今回の発表に、各方面からコメントが出されていますが、一番に注意しなければならないことに、「タイムラグ」を忘れてはいけません。今朝の各紙を読むと、公表結果にサブプライムローン問題のトラブルを絡めるコメントが多くありましたが、この統計値は、昨年内に鑑定士から出された地価が、集計された結果ですから。それを各方面に報告し、了承を得て発表するので、こんなに3ヶ月間もかかるのですが。
私は今回の発表結果と、その後にトラブッた「サブプライムローン問題」が表面化し及ぼした効果とは、全く別の問題と考えています。この価格は、サブプライムローン問題が深刻化する前の価格です。この時点修正を正しくやらないと、問題が見えてきません。
昨年16年ぶりに全国平均がプラスに転じ、今年は上げ幅を拡大した公示地価が、既にピークを過ぎた可能性が高いと思います。
皮肉なことに、高松市内の一部高級住宅地では値上がりが見られますが、香川県の住宅地の下落率は、5.6%(前年6.8%)と昨年に続き全国最大の下げ幅になっています。これは線引き廃止の影響と、都心回帰志向が働いていると思います。全国的に見ても、地方圏の7割が下落です。これまで堅実であった「東京」ですら、ピークは07年11月と言われ、今の時点では、さらに下落していると言われています。
昨年の今頃は、全国的に下落傾向が止まり、プラスに転じ、しかも東京はミニバブルと言われていたと思います。
思い出すに平成3年のバブルの崩壊は、日本中のお金が土地投機に進み、今回の不動産バブルは、土地だけでなく収益ビルなど広く不動産全体に、世界中のお金が投資されていたと思います。
だから前回の下落が、東京から地方都市へ波及するのに約1年ほどの時間がかかったのに比べて、今回の下落はほんの2~3ヶ月で抜けてしまいました。
私は収益還元価格という価値観が、これからの地価を決めると思います。土地が生み出す収益の大きさによって、土地の価格が決まるという、ある意味自然な経済原則です。
その意味では、これまでの全国平均・県平均・市平均価格を求めて比較するという役所が好きな手法は、意味がなくなってきたと言わざるを得ないと思います。