第8626回

大谷翔平に見る商売繁盛の基本6/8

第4章は、『ことばの有効活用で形成する対人力』。私たちが使う言葉には言語(バーバルコミュニケーション)と、非言語(ノンバーバルコミュニケーション)の2種類があるようです。さらに前者は『話し言葉』と『読み言葉』と『書き言葉』の3つがあり、学校の『国語教育』の授業でも家庭でも両親を通じて、それなりに学んできたモノです。ところが後者は、関心すら寄せる機会がありませんでした。

非言語とは、言語以外の表情・声・動作・姿勢などです。近年は海外との交流が盛んになり、普通の人でも外国人との対話の機会も増えてきたことで、この非言語の重要性が高まってきています。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、1971(昭和46)年に話し手が聴き手に与える影響を、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%と数値化した論文を発表しています。

この数値は、言語以外が93%と大きな割合になっています。すなわち非言語のほうが、言語よりも圧倒的に影響力が大きいことを示しているのです。日本人の慎み深さや羞恥心が手伝って、非言語を使うのが苦手なのだと思います。その点、欧米人は非言語の使い方が私たち日本人よりも上手ですし、慣れています。大谷翔平は、非言語活用の優等生で、コミュニケーション力は素晴らしいのです。

彼はインタビューアーの顔を見ながら質問をよく聴き、そして簡潔に答えています。この短く話すことが、対話では大切なことです。それによって話し手と聴き手の人間関係が良好に築かれていくからです。彼がメディアの人たちから好かれるのも、この対話のうまさが関係していると思います。大谷の言語力は優れていますが、それにもまして非言語が素晴らしいのです。まず笑顔です。彼は笑顔を絶やしません。

塁に出ると塁上で、相手の野手と笑顔で声を交わしています。あの光景を目にする人々は、自然に気持ちが和んできます。笑顔は他人に好感を与えると同時に、自分の心を明るくする効用があります。明るく生きる努力を重ねることは、人生の勝利につながっていくのです。大谷の成功の大きな要因に、笑顔が挙げられる理由が良く分かります。

仕事柄、数多くの経営者と接してきましたが、やはり笑顔の豊富な経営者ほど不思議に事業に成功している率が高いものです。『八起会 (やおきかい) 』という45年間続いている倒産に学ぶ経営者の会があります。野口某会長が、自らも倒産経験者ですが、私も講演を聴いたことがあります。この会には倒産を防ぐための次のような『八起五則』があります。

『早起き・笑顔・素直・感謝・いい出会い』、笑顔が掲げられていることに注目して欲しいのです。この五則は、私たちの生活を好転させていくためにも必要な条件だと考えています。最後は大谷翔平選手の行動で締めましょう。2023年3月22日に行われた、WBC決勝戦で日本がアメリカに勝った試合の中継。9回の最後の最後、大谷がトラウト選手を三振に打ち取ったシーンは劇的でした。彼は帽子とグラブを空中に放り投げ、勝利の雄叫びを発しました。それも彼の劇的な動作・表情が素晴らしかったことが大きな要因になっていたと思います。

電話で相談 メールで相談