第5141回

日銀が追加金融緩和を決定 市場では「期待外れ」との見方

29日(7月)日銀は、金融政策決定会合で追加の金融緩和を決定した。日銀は、金融政策決定会合を開き、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)を買い入れる金額を、これまでの年間3兆3,000億円から6兆円に倍増させるという、追加の金融緩和を賛成多数(反対2)で決定した。

イギリスのEU(ヨーロッパ連合)離脱や中国などの経済失速など、世界経済の不透明感が高まる中、これまでの「マイナス金利付き量的質的金融緩和」をさらに推し進め、政府の経済対策との相乗効果で、景気の底上げを狙う。通貨供給量を増やすため実施している現在の年間80兆円の国債購入は増額を見送った。

長期国債10年ものの価格は、10年後に100万円償還される国債の価格は150万円まで上昇している。国債の、金利と価格には逆相関関係がある。金融機関の国債は、ほとんど日銀が買っているのが現状。三菱UFJ銀行は、国債購入資格の返上もしているほど。

一方、追加緩和の内容は、市場関係者の間で期待外れとの見方が強まり、東京株式市場の日経平均株価は一時、300円以上値下がり。また、円相場も一時、102円台をつけ、急速に円高が進んだ。6ヶ月前のマイナス金利ほどの大胆さに欠けた内容に、円高株安が一段と定着した形である。

企業や金融機関の、外貨調達の支援強化も決めた。金融機関が預ける日銀当座預金の一部に適用するマイナス金利は、現行水準のマイナス0.1%に据え置いた。 日銀は、政府が8月2日閣議決定する総合的な経済対策と「相乗効果を発揮する」と表明。

今回の会合でまとめた日銀の最新予測である「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2%の物価上昇目標の実現時期について、従来通りに「2017年度中」としながらも「海外経済の不透明感から不確実性が大きい」との文言を加えた。

政府と日銀が連携し、デフレ脱却へ向け、2%の物価上昇目標の実現を目指す強い決意を示した。反面政府の方針を裏付けする政策に、揺らぐ独立性を心配する声もある。政権は人気取りが仕事だが、日銀は独自路線をどっしりやって欲しい。その昔私が幼少の頃に、日銀の仕事は「物価の安定」と教わったものだが。

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