第5139回

盛和塾塾生阪ちゃんメールからの転用黒田投手の200勝

盛和塾福岡の阪和彦先輩からの配信メールを、転用させて頂いています。広島黒田投手の200勝に関しての、衣笠祥雄氏のコメントです。示唆に富んでいます。

次の200勝は誰が来るのかな?と長い間考えていましたが黒田投手が200勝を達成しました。200勝投手が生まれにくくなってきた大きな原因は登板試合の現象だろう。

私がプロ野球に入団した頃の各チームの主戦投手の登板数はだいたい32~35試合の登板数が記録されていた。最近の主力投手の登板数は27試合ぐらいが多い方ではないだろうか?投球回数も200回を投げる投手がリーグで1人か2人がいいところで、300回を超えて投げていた投手がいたことが嘘のように感じられる。

そんな時代だから、200勝を記録する投手は当然少なくなりでにくくなってしまった。そんな中で黒田投手の快挙に万歳というほかない。そしてもうひとつこの頃の投手の200勝投手の方法論が隠されているようで、これから続く投手に大きな勇気を与えることが含まれていると思う。

「一度も20勝を記録していない点である」、いかにも今の時代の投手の記録という感じが私にはするのだ。昔の投手は20勝は当たり前で、30勝を記録している投手も多く、スタルヒン投手や稲尾投手のように42勝という考えられない勝利数を記録している投手もいるが、今はそんな数字はとんでもない世界で絶対にできないと言える野球界になった。

1年目の1997年23試合に先発、135回投げて6勝9敗、防御率4.40という数字が残っているのだが、これが200勝への道の始まりとなる。入団時に華々しく10勝、15勝という数字でスタートしたのではなく、6勝したが9杯という苦しい経験をして初年度を終えて、防御率も4.40という数字を見ると今の若い投手も勇気がわくだろう。

ただ評価できるのが135回投げている点である。体が強いというところと、手入れをしていた点が見える。プロ野球の選手は投手であれ、野手であれ、試合に出るということが大切なのだ。その点が評価できると思うから見習ってほしい。この中には、首脳陣の信頼という点も入っている数字だ。

2年目はもっと苦しんだ、勝ち星は1つ、4敗、45回の投球回数で24個の四球、防御率6.60何度も心が折れそうになったことだろう。でも頑張って前を向いていた。3年目に5勝8敗、87.2回の投球回数、4年目には144回の投球回数まで復活して先発で9勝6敗、初めて勝ち星が負け数を上回った成績を残している。

この年は29試合に出ていて投手陣の中心的存在になってきている。5年目には27試合に先発して13完投、12勝8敗という数字を残して190回を投げている、防御率も3.03ということでセ・リーグの中に出しても恥ずかしくない投手になってきた。

面白いところでは四球が45個と少なくなってきているが、死球が8個と相手打者に踏み込ませない威嚇をしているようにも見える数字が残っている。

この5年間が、黒田という投手の大きな財産になったことと思う。苦しみながらも前に、前に、どうすれば自分の投球ができるか、考えに考え、多くの人からアドバイスをもらいながら頑張っている姿が思い浮かぶようだ。

人はどこかでしっかりとした基礎、基本を技術的にも、精神的にも作らなければならない時期が来る。その意味では黒田投手のプロの投手としての基礎基本はこの時期に構築されたのではないだろうか、だから少々の不調に見舞われてもメゲルことなく頑張れるのではないだろうか?そんな気がしてならない。

名球会が全てではないが、いい区切りの数字だと思う。打者は2,000本のヒットを記録しなくてはならないのだが、1年間に150本のヒットを記録しても13年半の時間がかかる。投手の200勝も、同じように時間のかかる記録だと思う。

そして250セーブ、時代とともに野球の役割も変化してきて入団早々抑えの切り札投手の役目をする投手にもチャンスをということでセーブ記録も入ったということです。

試合数も我々のときから見ると多くなり、打者のヒット、投手のセーブは達成するのに楽になってきているが、先発投手の200勝はこれから苦しくなるのではないかと思われる。そんな時に今回の黒田投手の姿は大いに若い投手たちに勇気を与える記録ではないかと思う。

何故なら20勝しなくても200勝に到達できる見本のように見えるからだ。最高に勝ったシーズンが2012年のヤンキース時代の16勝、次が2005年の広島での15勝という数字だから、飛び抜けたシーズンを持たなくても体のコンデションを整え、勝利にむかって努力を重ねて行けば200勝が見えてくる日が必ず来るというお手本ではないだろうか?

今から頑張る多くの若い投手たちには是非最も身近なお手本として苦しい時には頭の中で黒田投手を思い出して頑張って欲しいと思う。

おめでとう黒田投手!!!これからも頑張って欲しい投手である。

2016/07/24 衣笠祥雄

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