第4990回

菅沼光弘氏の著書「この国の権力中枢を握る者は誰か」

誰に奨められたか定かではないのですが、菅沼光弘氏の「この国の権力中枢を握る者は誰か(2011年7月31日第1刷)」と先に「誰も教えないこの国の真実(2012年12月20日初版第1刷)を読んでみました。なかなか骨っぽい意見を言う、元公安調査庁の高級官僚です。

退官したから言えるという側面もあると思いますが、歴史に裏打ちされた話しです。「この国の権力中枢を握る者は誰か」では、日本が経済的にも軍事的にも弱体化したら、やっぱり従属国家への道を進むしかありません。とハッキリ書いています。

日本の権力中枢が乗っ取られ、内部から食い破られている。この状況は、なにもいまに始まったことではありません。大東亜戦争における敗戦からこのかたずっと、日本はアメリカという戦後世界の覇権国の都合の良いように、国家体制をコントロールされてきました。

田中角栄元首相の失脚以来、日本の歴代の首相たちは、アメリカの意向を無視してはその地位を保てなくなった。戦後、驚異的な経済成長を果たした日本は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれる世界第二位の経済大国になりましたが、その原動力として国家体制を支えてきたのは、優秀な官僚制度でした。

東西冷戦が終結して以降、「平和の代償」を求めて日本の経済力を標的にしたアメリカは、この日本の官僚制度に狙いを定め、官僚たちをアメリカの影響下においた。その結果として、バブル崩壊後の長い経済の低迷のなかで日本は、「平和の代償」を支払続ける国に変えられてきたのです。

政治レベルの話しだけではありません。国民レベルでもアメリカは洗脳支配を続けてきました。大東亜戦争中、天皇陛下のため、国のため自らの命を捨てて戦う日本軍兵士の姿に恐怖を感じたアメリカは、日本人そのものを改造しようと、憲法を変え、教育制度を変えた。

基本的人権、個人の尊厳がいちばん大事だという考え方を日本人に植え付けたのです。このアメリカによる日本人の精神改造は、ほとんど完璧なまでに成功しつつあります。戦後70年の今は、主食は米からパンに変わりました。肉食になって、大腸癌も多く発症しています。

ところがです。3万人にも及ぼうという尊い人命が失われ、生活の基盤である住宅や工場が壊滅状態になった東日本大震災のさなか、東北の人たちは、社会の秩序をいっさい乱すことなく、お互いに励まし合い、助け合って、一丸となって危機に対処した。

この被災地の東北における日本人の立派な態度を見たアメリカのジャーナリストが、「日本人は変わっていなかった」と報じました。個人主義で、自分のことしか考えないアメリカ人と同じ精神に日本人を改造したと思っていた彼らにとって、今回の震災で日本人が見せた国家のためには自己犠牲もいとわない精神力は、まさに脅威だったはずです。

さらに日本の核武装も、国内で議論したらどうかとも。しかしどんなことをしてもアメリカは、日本に核兵器を作らせないという徹底した査察をしています。日本の核保有を、恐れているようです。日本は今すぐにでも核武装できるという知識人もいますが、菅沼光弘氏はまだまだ出来ないと断言しています。

思想の延長線上に、憲法改正や自衛力強化があります。さらに皇室の存在の大きさということも、今回つくづく感じさせられたと述べています。瓦礫の山の被災地を訪れ、被災者たちの前にひざをついて、「頑張って下さい」と手を握りしめる天皇皇后両殿下。子ども達も、そのまねごとをはじめています。

被災者たちだけでなく、われわれもまたそんな天皇・皇后両陛下の姿に元気づけられ、生き延びる力を与えられている。日本国民にとって、この存在は凄いものです。マッカーサーも利用したこの制度は、世界のどの国も持っていない素晴らしい制度です。

ある意味で、日本という国は非常に強い国なのです。政府・指導者は頼りないし、安全保障にしても経済の問題にしても、形の上では情けない国だけど、国民はしっかりしている。本当に日本を支えている部分の人たちは立派です。今度の災害で、そのことがよく見えてきました。

だから、そんなに危惧することはない。アメリカにおんぶに抱っこで従属する必要もない。国全体として、やはり自立の精神が重要なのです。またわれわれは、それが出来る国民なのです。次はもう一冊の、「誰も教えないこの歴史の真実」について書きます。

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