第4938回

とりあえずビールのように「とりあえず賃貸」と考えるのは危険

小欄ですでに、昨日も含め2度ほど取り上げましたが「相続した空き家を売却すると3,000万円特別控除の創設」の詳細が、より具体的に分かってきました。これは「空家等対策の推進に関する特別措置法」とも関連してくる改正ですが、不動産に関する税制改正が不作と言われている中で、これは新年度改正の目玉です。

相続した空き家を、一人暮らしだった被相続人(亡くなった人)が死亡した日以後3年を経過した日の属する年の12月31日までに譲渡したときは、その空き家を譲渡して得た利益から3,000万円を控除する特例を創設することとして、今の国会で諮られます。

先の小欄でも述べていますが、今一度列挙しておきます。参考になさって下さい。

(1)一人暮らしであった場合に限る。

 この特例は先にも指摘したとおり、空家等対策の推進に関する特別措置法に関連して、空き家をなくすことを目的にしていることから、亡くなられた時点で一人暮らしの場合に限られます。同居者がいなかった場合に限り、適用になります。

(2)昭和56年5月31日以前に建築された建物に限る

 つまり、旧耐震基準の建物に限定適用です。ざっと築後35年経過建物です。区分所有建築物(マンション)は除かれ、建物を壊して敷地のみを譲渡するか、建物について新耐震基準を満たすように耐震リフォームをしてから譲渡しなければなりません。従ってすでに新耐震基準を満たしている建物の場合には、そのまま譲渡が出来ます。

(3)相続から譲渡まで引き続き空き家でなければならない

 これが標題の、「とりあえず賃貸は危険」につながります。「とりあえずビール」は昔も今も共通した名台詞ですが、不動産の相続の相談時には、「とりあえず賃貸」にしたらどうですかと、これまでは普通にアドバイスをしています。

兄弟姉妹の手前、相続でもらってすぐに売却したら、「幾らかよこせ」と言われそうで、相続人も一旦賃貸を選択します。そのために次の段階の仕事(いずれかで売却)にありつくために、不動産業者も「賃貸管理業」を学ぼうとしています。しかしこの税制改正に関して言うならば、「とりあえず賃貸」はダメダメダメ。

相続した後、その家や家を取り壊した後の土地を、事業の用(駐車場等)、貸付の用または居住の用に供した場合には、この特例は適用できません。そのことについて地方公共団体の長などから証明する書類の交付を受けて、確定申告書に添付しなければなりません。

(4)譲渡対価が1億円を超えるものは適用されない

 建物及び土地の合計譲渡価額が1億円を超えるものは、適用されないこととされています。もちろん2回以上に分けて売却した場合には、通算して判断されます。分けて売却する期間が数年以上空いていても、通算されることになります。

繰り返しになりますが、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの譲渡です。税金に関することは素人の私です。必ず税務署か税理士さんに確認して下さい。あくまでも話題の提供に過ぎませんから、鵜呑みは危険です。専門家へ相談を。

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