第4905回

関東大学ラグビー対抗戦は明大が3年ぶりの優勝だが

ラグビーの関東大学リーグ対抗戦が6日、東京の秩父宮ラグビー場で行われ、明大が早大に32-24で競り勝ち、既に5連覇を決めていた帝京大に6勝1敗で並び、3年ぶり16度目(同リーグ通算30度目)の優勝を果たした。つまり両校優勝という結果ですが、明大は成長しました。

仕事の関係でLIVEを見ることは出来なかったのですが、ネットで勝利を確認してゆっくり呑みながら録画を観戦しました。まずここが、これまでのラグビーと違います。過去には、録画を見るのも結果が分からなくて、ドキドキしながら観たものです。

単純に母校が優勝したという喜びの他に、ラグビー早明戦の戦いかたが変わったことに驚きました。ラグビー早明戦と言えば、明治の重量フォワード対早稲田のフルバックのボール回しの印象が強かった。「伝統の」という重い兜をつけた戦いを、明治は続けて負け続けていたのです。

「重戦車」「前へ」。力強い代名詞とは裏腹に、近年の明大はひ弱な面がありました。昨季の早明戦も戦前は有利と言われながら敗れると、大学選手権第2ステージでは、筑波大に7-43で大敗。4季続けて年明け1月2日の準決勝に進出できず、監督は「12月にどうしてチームが失速するのか」と首をひねっていた。

この2年は対抗戦で5位、3位、大学選手権は序盤敗退。「石の上にも3年ならぬ寮の中での3年だった」と就任3年目の指揮官。札幌に家族を残して学生寮に飛び込み、生活を指導。乱れた食生活など、規律から見直した。「どなってばかりで、反乱を起こされたら怖いから部屋にカギかけて寝たこともあったよ(笑い)」

やはりここでも指導者が変わり、選手が変わり、価値観が変わり戦法が変わった。高松商の野球も、長尾健司監督が登場して1年半。明大もOBの丹羽政彦監督(47)が就任されて3年目。OB監督が自ら伝統の「前へ」に拘らず、勝ちを掴み取った。これからの明大ラグビーの、ターニングポイントとなる試合でした。

前半は快足ウィング成田のトライなどで10点差まで突き放したが、後半は明大のお株を奪う2度目のモールトライを許すなど5点差まで詰められた明大。後半31分に得たペナルティーでは、迷わずゴールを狙った。丹羽政彦監督は、W杯で南アに勝った日本代表を引き合いに出し「世のムードはスクラム選択だけど、冷静に足し算をしてくれた」と選手を称えた。

変化は監督、選手の双方に生まれた。丹羽監督は「最初の2年は一方通行に話すだけ。よく怒鳴った」と振り返る。だが、今季は中村、田村ら下級生時から主力を張ってきた4年生が多く、学生の自主性が出てきた。監督も「今年は相互に話せている。大学生は大人だから」と。

昨季からU―20日本代表のS&Cコーチだった坂井裕介氏を招へいし、取り組んできたフィジカル強化も実を結んでいる。前半終了間際、WTB成田が日本代表のFB藤田のタックルを飛ばしてトライしたシーンはその象徴。

最近は明大に入っても伸び悩む選手が多く、丹羽監督は「人材の墓場と言われていたから」と自虐気味に話すが、ここに来て才能のある選手が期待通りの成長曲線を描き、戦力となった点も見逃せない。

大学選手権では7連覇を目指す帝京大の対抗馬として、まずは10年度以来5季ぶりの「正月越え」を目指す明大は、スクラム戦を捨てたわけではないと思う。それに加えて、走ることも覚えたと見るべきだろう。ルールもモールに見られるように、大きく変わっている。この両輪が揃うと、打倒帝京大もかなうのではないか。

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