第261回まなべ塾
まなべ塾は、元衆議院議員だった真鍋光広氏を塾長とする集団で、久しぶりにお誘いを頂いた。大半の参加者が塾生のようで、スポット参加は少ないようだ。本日の演題は、『ブルーカラー ビリオネア』の時代という比較的ぶっ飛んだ話というか、今から先、ほんの2~3年で到来しそうな近未来を予想した内容でした。大半が第一線をリタイアーした年頃の紳士淑女だが、子孫世代に起きる現象で失業の心配があるといわれたら、これまた他人事ではない。
AIによるホワイトカラー職の代替と不安定化が顕著になる一方で、米国では「ブルーカラー・ミリオネア」と呼ばれる新たな富裕層が出現している。高額な学費の借金を背負う4年制大学への進学を避け、職業訓練に特化した公立2年制大学への進学が増加しており(2025年入学数は2020年比20%増)、建設、空調、配管などの現業部門に若者が流れている。現場の深刻な労働力不足を背景に賃金が高騰し、年収10万ドル(1,600万円超)を稼ぐブルーカラーが珍しくなくなっている。
データセンター関連のHVAC(暖房・換気・空調)技術者の年収は6.8万〜8.8万ドル(1,100万〜1,300万円)、ニューヨークのエレベーター技術士の採用試験では週40時間勤務で時給64.6ドル(月収163万円)が提示されている。米国統計局の予測でも、電気工事士は2034年までに9%増、HVAC技術者は8%増と、全職種平均(3%)を大きく上回る雇用増が見込まれる。彼らのキャリアプランは単なる労働者にとどまらず、技能習得後に独立・起業し、最終的にはM&Aなどを通じて巨額の富を得るロードマップが描かれている。
日本においても同様の構造変化が起きている。日本政策投資銀行の調査(昨年7月)では、大手企業の現場労働者(ブルーカラー)の不足が顕著であり、特に鉄鋼、建設、運輸業界での熟練労働者不足が鮮明である。経済産業省の就業構造推計(今年3月公表)でも、AIやロボットによる省力化で事務職が437万人余剰となる一方で、専門職と現業職を合わせると441万人不足すると予測されている。
実際に日本の現業職でも高収入化が進んでいる。関電工の作業長は年収1,000万円を超え、電気設備保安点検の個人事業主は年収2,000万円前後に達する事例がある。鳶職(月収70〜80万円)、建設現場の重機オペレーター(年収1,000万円超)、マグロ漁業(1年目で500万円+貯蓄環境)、ハウスクリーニング(月70〜120万円)など、稼げる現業職の実態が示された。
真鍋光広氏の分析で時代を切ってみると、①AI(人工知能)→②生成AI→③AIエージェントとなって、現在進んでいるAI活用が③の状態であろう。つまり仮想空間では、人の代替作業まで人の命令なしでやってくれる。ソフトの欠陥調査や、様々な知的作業を行うAIが跋扈し始めた。次に④フィジカルAIとステージがさらに進化し、無人工場やロボット+AIエージェントが登場すると言われている。それでも最終決定は、あくまでも人間のようですが、多くの人が要らなくなりそうだ。