国土交通省インスペクションガイドラインの発表


大型連休中は、日頃書けなかったネタを紹介しています。今年の不動産仲介業界は、中古住宅の媒介(仲介)時に、インスペクションをするというのが常態になると思います。それを裏付ける国土交通省の動きです。第3の波も、民活と言いながら、やはり官主導で動きはじめています。
国土交通省は2013年4月26日、「既存住宅インスペクション・ガイドライン検討会」(座長:深尾精一首都大学東京教授)の第4回会合を開き、同ガイドライン案を公表しました。昨今は、何かに「ガイドライン」と名付けられた言葉が一人歩きしています
「インスペクション」とは聞き慣れない言葉ですが、建物検査のことです。何でもカタカナ語を使うのは、昭和生まれには一種のアレルギーになります。分かるものも分からなくなります。とは言いながら、固有名詞的に使われ始めると、避けて通れなくなり、困りながらもつい使います。
ここで話題になっているのは、中古住宅の売買の際に、インスペクションをして、現状を調査し買主へありのままを告知して安心(がっかりする場合もあり得ます)して買って貰うという新しいやり方です。このようにインスペクションは現状確認ですから、問題箇所は問題ありと報告され、手直しは次の問題で、必ずしも手直しされて販売されるとは限りません。
検査の結果を受けて、売主が手直しすると売買価格がその分高くなることが予想されるし、買主がリフォームの一環として好きに手直しすることもあり得ます。私はインスペクションの負担は売主、その後の瑕疵保険加入は買主負担が、これからの流通スタイルになると思っています。
同案は、インスペクションの方法や手順、検査項目、消費者に開示すべき情報のあり方など基礎的項目を取りまとめたものです。インスペクション(既存住宅現況調査)を「売買の対象となる住宅については、基礎、外壁等の住宅の部位毎に生じているひび割れ、欠損といった劣化事象及び不具合事象の状況を、目視を中心とした非破壊検査による把握し、その調査・検査結果を依頼主に報告すること」と定義。
構造耐力上の安全性が損なわれる劣化(蟻害、躯体のひび割れ、腐朽・腐食、傾斜など)、雨漏り・水漏れ、給排水管の漏れやつまりなどを検査項目として挙げています。
検査を行なうもの(検査人)については、建築士や建築施工管理技士など住宅の建築に関する一定の資格や実務経験を有していることを1つの目安とするとしています。
特に検査人は、公正な業務を実施するための「第三者性」(客観性・中立性)を保つべきとし、(1)宅建業、建設業、リフォーム業を営んでいる場合は、その旨を明らかにする、(2)自らが売主となる住宅のインスペクション業務を実施しない、(3)依頼主の意思に反して住宅の売買やリフォーム工事の実施を誘導しない、(4)住宅の流通、リフォーム等に関わる事業者から、インスペクション業務の実施に際し、金銭的利益の提供や中立性を損なう恐れのある便宜的供与を受けない、などと盛り込んだ。
同日の会合では、共同住宅の共用部まで検査が及ぶ場合のスタンスや、第三者性の考え方等に意見が出たが、概ね原案を支持する方向でまとまった。同省は、同案をもとにパブリックコメントを実施。5月中にガイドラインの最終とりまとめを発表する。
それを受け、(1)検査人の育成、(2)既存住宅売買瑕疵保証保険の現場検査とフラット35の適合証明業務との一本化、(3)インスペクション結果を受けた、住宅の質の建物評価・価値への反映、(4)性能向上リフォームをする場合の診断・評価、住宅履歴情報の蓄積・活用等、良質な住宅ストック形成に向けたインスペクションの活用法などを検討していく。
会合で挨拶に立った、同省住宅局住宅生産課長の伊藤明子氏は「インスペクションは幅広い概念を持った言葉であり、今回のガイドラインはその基本的なものをまとめたに過ぎない。さまざまな宿題は残っているが、まず一歩前に進み、育てていくことが大事だと思っている」などと語っていました。
(㈱不働産流通研究所の記事を引用しています)
この連休中に、四国中古住宅流通促進事業協議会(略称四国連携)が㈱シーエムシー一級建築士事務所&NPO法人住宅長期保証支援センターと結ぶ基本契約書案のやりとりがなされています。電子メール界には大型連休がないようです。