第3887回

安倍晋三首相のアベノミクスとTPP

小欄でも過去に、安倍晋三さん急ぐなよと書きましたが、2%のインフレターゲットを打ち出して確かに株価は上がりましたが、先行して金利や輸入物価の上昇が始まっています。この時期ですからまず灯油ですね、ガソリンも急激に上がっています。安倍政権の方向性は間違ってないと私も思いますが、性急すぎるとスーパーインフレにもなりかねないのです。

物価が上がり、所得がそのままかもしくはまだ下がるとなると、その差が国民の怒りへとつながってしまいます。何も迎合しろと言っていませんが、調子に乗るなと警告したいのです。その一つがTPP参加です。聖域なき関税撤廃は受け入れられない安倍晋三首相は言うのですが、そんなに日本に都合の良いことにはなりますか。

安倍晋三首相周辺もTPPの弊害については気づいているようですが、これはある意味ではアメリカの第三の占領だと表現する人もいます。ペルー来航の開国が一回目、そして太平洋戦争敗戦後のリズーリ号での降伏文書調印です。この艦内には、ペルー提督が浦賀に来航した時に掲げられていた星条旗を掛けていたとか。第二の開国です。

そしてこのTPPが第三の開国です。アメリカは農業大国ですから、話しが農業へ行きがちですが、問題は間税撤廃だけではありません。環境・労働者・生産者を保護する目的の非関税障壁であっても、撤廃を迫られることになります。TPPは、電気通信、金融、投資、政府・地方公共団体の調達、知的財産権など24分野におよび、多くの国民に不利益が及びます。

例えば医療の分野では、日本が世界に誇る健康保険制度があります。現在は高額医療には公的な保険制度が適用されず、全額自分負担になっています。しかしTPPに加盟すれば、医療費が低額か高額かでは区別する対応は出来なくなります。

仮に米国企業が日本に病院を建て、得意の超高額医療をはじめたとしたら、現在の原則自己負担3割、保険7割という制度下では、ただでさえ赤字の日本の健康保険制度は早晩破綻するでしょう。安倍晋三首相が言うように、例外は作るのだと言いますが、混合診療(保険が適用される普通の保険診療と保険外診療(自由診療)を併用すること)が認められても、公的保険の負担が増大することには変わりがありません。

本日安倍晋三首相は、アメリカへ飛びだちました。このTPPは、日本を良い方向へ変えるだけでなく、日本の良さを壊してしまう恐れも孕んでいるのです。この危険性を国民も知っておくべきです。

しかし安倍晋三首相が偉いのか、取り巻きが優秀なのか。森元首相がロシアへ行くのですね。この全方位外交は良いですね。歴史書を読めば、残念ながら四島返還はあり得ないと思います。二島返還が決まり、平和条約を締結できれば、両国にとって新しい経済交流が始まります。私はアメリカ一辺倒だけでなく、ロシア、中国、韓国、台湾つまり全方位外交が正しい選択だと思っています。

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