第3660回

不動産業界は資質向上へ新資格制度創設の動き

4日に高松で行われた、特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構の旗揚げ講演で、小林正典・不動産業課不動産業政策調整官は、「米国では毎日のようにライセンス試験が行われていて、難易度も(日本の)宅建試験に比べると低い。ただ、ライセンスを維持するためには継続的な勉強と高いコンプライアンスが要求される」と話していました。

市場活性化策を検討していた国土交通省の、「不動産流通活性化フォーラム」がまとめた提言案には、不動産流通システム改革のための5本柱の一つに「宅建業者・従業員の資質向上」が盛り込まれています。

全国10万社(者)が加盟する、全国宅地建物取引業協会連合会は、宅建資格を持たない従業者(一般従業者)を対象とした認定資格制度の創設を検討しています。担当する山田美喜男人材育成委員長(愛知県宅地建物取引業協会会長)は、計画案を年内にまとめ、都道府県宅建協会の意見も反映させながら2年以内の制度開始を目指すとしています。

このカリキュラムの内容は、実務に直結するもので、「売買」「賃貸」の2つのコースを用意するとのことであります。具体的には、「物件調査」「不動産広告」「契約の基本」等を盛り込むようであります。

また賃貸管理業界では、「賃貸不動産経営管理士」の将来的な国家資格化を目指す動きが出てきています。「賃貸経営士」は、賃貸経営管理のプロを養成する資格として、07年に、「(財)日本賃貸住宅管理協会」「(社)全国宅地建物取引業協会連合会」「(社)全日本不動産協会」の3団体がばらばらに実施していた、賃貸管理業関連資格を統一して発足しました。

今年は、旧資格からの移行組を含めて最初の資格取得者が、初の更新時期を迎えるのです。私にも更新案内が来ていますが、12年度までは、2日間の基本講習後に実施する試験の合格者が登録講習を受け、登録要件に合致する場合に有資格者として登録され、登録証が発行されるようです。

13年度以降は、年に2回の全国統一試験を実施して、その合格者がリポートを提出して、登録要件に合致する場合に登録手続きを行うとのことです。ただし登録要件は、宅建主任者もしくは協議会が認める賃貸不動産関連業務の経験が、「3年以上」としていたものを、「2年以上」に緩和することが盛り込まれています。

そもそも全住宅の約4割を占める賃貸住宅のプロ的管理の質的向上は、大きな課題でした。特別な法規制がなく、未整備な点と、取り組む企業や地域によって商慣習などから、オーナーと入居者との「賃貸借契約」、またオーナーと管理会社との「管理委託契約」内容におおきなばらつきがありました。

入居時の保証金や更新料、はたまた退去する際の「原状回復費用」など、需給差によって、全国的には大きな相違があります。これが確かに消費者に混乱を招くことになっていました。ですが昨今は、「社宅代行会社」が登場して、入居者側に偏りすぎて、オーナー泣かせの反動も出て来ています。

説明した新制度は、昨年12月から国交省の肝いりでスタートした「賃貸住宅管理業者登録制度」とも併せて、賃貸管理業の確立に向けた重要な要素として、業界で位置をつける資格制度であります。

さらに先の(公財)日本賃貸住宅管理協会では、相続支援の専門家育成を目的に活動をしている相続支援研究会が中心となって、新たな認定資格創設を目指しています。総合的な資産管理が出来る人材を育成することで、相続を見据えた支援体制と心材育成を考えています。

いずれにしても不動産業界の質的向上が見込まれる改革新設案に、関係者の一人として大きな関心を持って、あまねく業界の持続可能な人材育成として定着することを祈念して今日の日記を終わります。

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