第3488回

不動産売買取引の形態が変わっています

30年間不動産仲介業を生業としてやってきていますが、不動産仲介業は、本当に衣食住のすべてに関連して、人々の生活体系が変わるにつれて、そのあり方やり方望まれる業者像が、世の中の流れ変化に伴って変わっていると感じます。

今日も高松市内の投資用物件に買客が付き、地元金融機関の融資を受けて売買の仲介(法律用語では媒介)をさせて頂きました。持主は県外在住のご高齢の寡婦、亡夫から相続した物件の売却希望です。

ここまでであれば最近の傾向のままですから小欄で取り上げるレベルのネタではありませんが、この物件についている抵当権抹消が、これまでの30年間になかった経験をさせてくれるネタです。

通常金融機関の融資は、「売買」を目的とする場合、現在の所有者が抱えている借金(抵当権とか根抵当権の設定がある)を、買主からの売買代金で払ってから所有権の移転をして、あらたな所有者の名義になった後で、新規融資を受けた金融機関の抵当なり根抵当権をつけます。

この3つの登記を同時に出します。そうしないと間に別の人の登記が入ると、登記は通常先順位の人が勝ちます。従って連結した一連の登記として法務局へ、司法書士が提出するわけです。もっとも先にインターネットで登記をして、あとで必要書類を持参することもあります。

話しは少し横道にそれますが、国税局と法務局は、電子申請を盛んにPRしています。そのほか公共機関での入札にも、電子申請が幅広く使われるようになっています。政府は電子化に傾注していますが、それであれば「サイバーテロ対策」にもう少し腐心しないといけないと思います。

「サイバーテロ」は、ある意味核爆発以上の力を持っています。中東で使ったアメリカの無人偵察機が、イラン軍の基地に着陸しました。アメリカのCIAのコンピュータに侵入して、ラジコン操縦を乗っ取ったと言われています。アメリカの中枢部のコンピュータシステムも、再度構築しないと中東諸国と張り合えない現状のようです。

話しを不動産売買に返しますが、建物を建築したときに「亡夫」は、地元の金融機関ではなく、ハウスメーカーの提携ローンを使っていました。○×△海上保険ですから、損保会社ですね。抵当権の抹消をお願いしたら、「大阪の出先まで振込後(抹消書類一式)取りに来るように」と言われました。

東京本社ですから、残債の振込は東京です。これでも香川県での売買に、少しは協力してくれているのです。東京へ取りに行くのは、時間的に無理です。と言うのも先に出金しているので、どうしても当日の日付で登記が出来なければ、新たな金融機関は融資をしません。これを違えたら、弊社はその銀行からは追放です。

そこで地元の金融機関に社員を出して、司法書士に所有権移転登記の手続き完了と同時に売買代金を出金してもらい、先の○×△保険会社の、融資専門子会社へ振込をして貰います。

それを本支店間のオンラインで着金確認をしてから、書類を頂けるのですが、当初の債権者(お金を貸している側)と名義が換わっていることもあって、もしかしたら債権が売られてやばい筋が持っているのかと心配しました。それでここ一番は私の出番です。

ところが○×△保険の大阪のビルに入っている「AB&CDキャピタル」(仮称)は、対応が実に丁寧でした。9時半からの営業と聞いていましたが、早めに入って待たせて下さいと言った私に、時間前から渡す書類の確認を許してくれました。

司法書士から打合せで聞いていた書類を一枚一枚確認します。土地が10筆もあり、建物がこれまた複数建っています。間違ってまた取りに来ることは不可能です。緊張が走ります。そして次は、いよいよ着金確認です。

これがまた待つ身は時間が長い。予定より30分近く遅れて、大阪の事務所を離れました。急ぐ私に、カーナビまで「ランプ閉鎖でルートを変更します」と言うのです。こいつも敵かと一瞬思いましたが、間髪入れず次のルートが示されました。「よしよしとにかく大阪を離れよう」、そんな時に限り神戸まで大混雑です。

大阪市内まで往復400㎞で5時間。14時過ぎには高松中央インターに着き、書類一式を社員に渡して、私は入会審査会へ遅刻しながら出席します。15時過ぎには司法書士から、「登記完了」の知らせがありました。めでたしめでたし良い1日でした。

私も含めて3人でことに当たりましたが、売主さんは大変歓んで下さったと聞いて、不動産業は良い仕事だなあとつくづく感謝した日でもありました。社員にも大感謝です。

電話で相談 メールで相談