全国戦没者追悼式終戦81年で平和を希求する一日
今日15日は81年前、太平洋戦争敗戦の天皇陛下の国民向け玉音放送があった日で、一般的に終戦の日とされています。ユーキャンの『昭和・平成100年史』DVD全8巻を観ながら、天皇陛下の「終戦の詔書」の全文を紹介します。長いですから、我慢ならない人は文句を言う前にこのページから離れてください。
「終戦の詔書」全文
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現狀トニ鑑ミ、非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ、茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク。
朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ、其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ。
抑々帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ、萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ、皇祖皇宗ノ遺範ニシテ、朕ノ拳々措カサル所、曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ亦實ニ帝國ノ自存ト東亞ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ、他國ノ主權ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス。
然ルニ交戰已ニ四歲ヲ閱シ、朕カ陸海將兵ノ勇戰、朕カ百僚有司ノ勵精、朕カ一億衆庶ノ奉公、各々最善ヲ盡セルニ拘ラス、戰局必スシモ好轉セス、世界ノ大勢亦我ニ利アラス。
加之、敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ、頻ニ無辜ヲ殺傷シ、慘害ノ及フ所、眞ニ測ルヘカラサルニ至ル。
而モ尚交戰ヲ繼續セムカ、終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス、延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ。
斯ノ如クムハ、朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ、皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ。
是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ。
朕ハ帝國ト共ニ終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ、遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス。
帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ、職域ニ殉シ、非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ、五内爲ニ裂ク。
且戰傷ヲ負ヒ、災禍ヲ蒙リ、家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ、朕ノ深ク軫念スル所ナリ。
惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス。
爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル。
然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所、
堪ヘ難キヲ堪ヘ、忍ヒ難キヲ忍ヒ、以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス。
朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ、忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ、常ニ爾臣民ト共ニ在リ。
若シ夫レ情ノ激スル所、濫ニ事端ヲ滋クシ、或ハ同胞排擠、互ニ時局ヲ亂リ、爲ニ大道ヲ誤リ、信義ヲ世界ニ失フカ如キハ、朕最モ之ヲ戒ム。
宜シク擧國一家、子孫相傳ヘ、確ク神州ノ不滅ヲ信シ、任重クシテ道遠キヲ念ヒ、總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ、道義ヲ篤クシ、志操ヲ鞏クシ、誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ、世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ。
爾臣民、其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ。
「終戦の詔書」現代語訳・全文
私は、世界全体の情勢と、現在のわが国の状況を深く考え、非常の手段によってこの事態を収拾しようと決意し、ここに忠実な国民の皆さんに告げます。
私は日本政府に命じて、アメリカ、イギリス、中国、ソ連の四か国に対し、四か国が示した共同宣言、すなわちポツダム宣言を受け入れることを通告させました。
そもそも、国民が安らかに暮らし、世界の国々とともに繁栄の喜びを分かち合うことは、歴代の天皇から受け継いできた理想であり、私も常に心にかけてきたことです。
先にアメリカとイギリスに対して戦争を始めたのも、日本が自ら存立し、東アジアの安定を願ったためであって、他国の主権を奪ったり、その領土を侵略したりすることが、もともとの私の意思ではありませんでした。
しかし、戦争が始まってからすでに四年が過ぎました。
わが陸海軍の将兵は勇敢に戦い、政府の役人は職務に励み、国民もそれぞれの立場で力の限り尽くしてきました。
それにもかかわらず、戦争の状況は必ずしも好転せず、世界の情勢もまた、日本にとって有利なものではありません。
そればかりか、敵は新たに残虐な爆弾を使用し、罪のない多くの人々を次々と殺傷しました。その被害がどこまで広がるのか、まったく計り知れないほどになっています。
このまま戦争を続ければ、ついには日本民族そのものが滅びることになるばかりか、さらには人類の文明までも破壊することになりかねません。
そのようなことになれば、私はどうして多くの国民を守ることができるでしょうか。また、歴代の天皇の御霊に対して、どのように申し訳を立てることができるでしょうか。
これが、私が政府に命じて、ポツダム宣言を受け入れさせることにした理由です。
私は、日本とともに最後まで東アジアの解放のために協力してきた同盟国に対して、まことに残念に思います。
また、日本国民の中で、戦場で亡くなった人、職務のために命を落とした人、思いがけない災難によって亡くなった人、そしてその遺族のことを思うと、私の心は張り裂けるようです。
さらに、戦争で傷ついた人、災害を受けた人、家や仕事を失った人々の今後の暮らしについても、私は深く心配しています。
考えてみれば、これから日本が受ける苦難は、決して普通のものではありません。
国民の皆さんがどのような思いを抱いているかも、私はよく分かっています。
しかし私は、時代の流れが向かうところを見定め、
耐えがたいことを耐え、忍びがたいことを忍び、これから先の長い将来のために、平和な世の中を切り開いていきたいと思います。
私はここに、日本の国のあり方を守ることができたと考え、忠実な国民の真心を信頼し、これからも常に国民とともにあります。
もし、感情が激しくなるあまり、むやみに争いを起こしたり、同じ国民同士が互いに排斥したりして、世の中を混乱させ、そのために正しい道を踏み外し、日本が世界からの信用を失うようなことがあれば、私は最も強く戒めたいと思います。
国民は、国全体が一つの家族のように心を合わせ、この思いを子孫に伝え、日本という国がこれからも続いていくことを固く信じてください。
そして、私たちの責任は重く、これから進む道は遠いということを心に刻み、国民すべての力を将来の国づくりに注いでください。
道徳を重んじ、自分の志をしっかりと持ち、日本の良いところをさらに伸ばし、世界の進歩に遅れないよう努力してください。
国民の皆さん、どうか私のこの気持ちをよく理解してください。
この現代語訳で最も重要なのは、昭和天皇が直接「日本は敗戦した」「降伏する」とはおっしゃらず、**「ポツダム宣言を受諾する」**という形で終戦を国民に伝えている点です。
また、「堪へ難キヲ堪ヘ、忍ヒ難キヲ忍ヒ」という有名な言葉は、単に「敗戦を我慢せよ」という意味だけでなく、戦争を終わらせ、その後に待つ大きな苦難を乗り越え、平和な日本を再建しようという呼びかけとして読むことができます。