ヤマダ電機とエス・バイ・エルは家電や設備を一括販売それにトヨタホーム
前回(香川宅建協会)会報誌に、ヤマダ電機の住宅販売について書きました。いろいろなところから問合せが入り、話題の大きさに私自身がビックリしたほどです。
日本最大規模の家電量販店のヤマダ電機と、東証1部上場のエス・バイ・エル(S×L)は11月10日、住宅と家電・設備を一括販売する「スマートハウジング」を、新築住宅だけでなくリフォームを含めた全商品での展開をスタートしました。
S×Lは既報の通り、今年10月からヤマダ電機の連結子会社になっており、ヤマダ電機の資金調達力と営業店舗網、S×Lの住まい作りのノウハウを生かしたスマートハウス(ヤマダ電機はスマートハウジングと称しています)を拡販していくようです。
ヤマダ電機の「スマートハウジング」は、太陽光発電システムやHEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)、家庭用蓄電池、オール電化、省エネエアコン、LED照明などのアイテムをメーカー問わずに選べるようにしているようです。発表によると、省エネ、創エネ、蓄エネを訴求し環境やエネルギーに配慮した住宅を販売するとなっています。実に上手いところに手を付けたものです。
その方法も顧客志向を優先し、光熱費を0にする「グレードⅠ」は価格が666万円で、30%削減する「グレードⅤ」は80万円と、価格帯・性能別のパッケージを用意しています。
スマートハウスのキーアイテム(標準仕様)では、通常建物価格に493.5万円の上乗せとなりますが、当初300棟に限っては、S×Lが費用の一部を負担し、15年償却を10年で償却完了できるように、値引きをして販売するようです。
販売については、全国200店舗あるヤマダ電機の販売網を生かすようです。前回の会報誌では、全国340店舗全てで取り扱うように書きましたが、今回の報道では200店舗となっています。それでも単純平均で、1都道府県に4店舗もあります。
ヤマダ電機・山田昇会長兼CEOは、「当社の強みは保守点検なども含めた地域密着営業。きめ細かな訪問などで得る情報を生かす」作戦で、リフォームも視野に置いているようです。われわれ地域密着型不動産営業も、真価を問われる時代に突入です。
山田会長は住宅市場への進出は、「住宅にかかわるのは電機店としての究極。電気設備の配置を考えて住宅を設計出来るのは強みになる」と話しています。ヤマダ電機が主導して、住宅以外にも高齢者施設(筆者注:サービス付き高齢者向け住宅)なども含めた大規模なスマートタウン開発なども視野に入れていることでしょう。
ヤマダ電機のスマートハウス関連事業と、S×Lの売上高は2012年3月期で880億円で、スマートタウンや高齢者施設への展開など業容を広げることで15年3月期には、2社合計で売上高3140億円と言うから、自信たっぷりの予想を展開しています。
一方トヨタホームも、11月19日からスマートハウスを投入すると発表しています。商品名は「シンセ・アスイエ」と言い、「新生・明日家」とも書けます。国内初の家と車のエネルギー連携を実現したトヨタホーム独自のスマートハウス技術のHEMSや太陽光発電、EV・PHV充電器などを標準装備した住宅です。
「シンセ・アスイエ」の代表プランは、129㎡(39坪)、坪単価60.3万円(税抜き)、スマートハウスは便利でしかも電気を節約できるが、いろいろ機能がつくと通常400~500万円高くなる。これらを含めて、蓄電池だけはオプションであるが、坪60万円にまで押さえ込んだら売れると思います。
親会社のトヨタ自動車は来春、プラグインハイブリッド車を投入する予定です。日産の話だと、「完璧な電気自動車」の登場は、10年はかかるだろうとのこと。車と家の融合時代のリーダーシップは、トヨタの面子にかけて渡せないと同社柴田商品開発部長は力こぶを入れています。
家と車が急接近する時代。自動車メーカーとして、「世界のトヨタの面子」があります。車も住宅も先進機能を標準搭載して、普通の人が買えるリーズナブルな価格を実現することで、スマートハウス時代の新しい扉を開けようとしています。
トヨタホームは、太陽光発電装置からのノイズ対策に苦慮していたとの観測も流れていて、このところ燎原の火のように爆発的に販売数を伸ばす状態ではなかったと聞いていましたが、2年以内に5,000棟体制に戻し、7,000棟(建設)を目指すと、トヨタホーム森岡仙太社長が10月27日の記者会見で述べています。
このように、建設不動産業界以外からの「建築参入」は、間違いなく既存の不動産流通業界(仲介業)に変化を及ぼします。不動産業者にとって決して対岸の火事では終わりません。今すぐに、独自な将来展望をして、業界の会員の生き残り策を模索し、実践に移さなければ明日はありません。明日に向かって撃て!
日経新聞・週刊住宅・住宅新報から拾いました。
スマートフォンに関しての小欄記事 http://www.0011.co.jp/company/diary/index.php?e=1691
もう一つありました http://www.0011.co.jp/company/diary/index.php?e=1666