第3423回

相続は譲る心と感謝の気持ちby野口賢次著

2010年3月初版発行ですから、もう1年半も前に頂いていた本です。最近本箱の整理をして、奥に詰め込まれた本も日の目を見ることになりました。丁度松山までの往復4時間で、読み切ることが出来ました。至る所で涙が溢れ、ドライアイの私には重宝な冗談無くして琴線に触れるものでした。

野口賢次さんは、1994年に神奈川県の川崎市中原区で親の代からのガソリンスタンドをたたんで、不動産業界に参入された御仁です。都会ですからまだまだGS経営も出来たと思いますが、次を考え不動産業界へ転身され何かに特化するとして研鑽を重ねていたところ、「相続」に出会ったと言います。

私とは、「不動産コンサル林流」の門下生として、私が上京し虎ノ門で勉強し、その帰り新橋駅まで歩き、私は品川のホテルへ野口さんは自宅のある川崎まで帰っていました。林流では、ニューヨーク不動産事情視察も一緒に行きました。本当に神様仏様(だと思います)のような人です。

内容は、平成8年の創刊号から160号までを毎月1回13年間にわたって書き続けた「野口レポート」をまとめたものです。宛名書きは手書きで、私にも毎月お送り頂きました。実際に現場で体験したことを、野口流に処理したことや、そこから学んだ人の道の尊さ尊厳に触れた文脈になっています。

標題のように、「譲る心と感謝の気持ち」を持って相続の現場で取り組んだ困難な問題をテーマにしています。親の財産は貰って当然と考える人、もう十分にして貰ったからと足を知っている人、いろいろな人が登場します。野口さんは、決して悪者を作りません。これがまた凄いところです。

また一方野口賢次さんは、NPO法人相続アドバイザー協議会の副理事長として、「相続アドバイザー養成講座(来年1月から第22期講座開始)」全20講座の、第1講座「相続の基本としくみ」の講師も務めています。これが大好評で、ここから20講が続くと行っても過言ではないでしょう。

また相続実務学校・野口塾の塾長として、平成13年9月から後進の指導に当たられています。さらにその前の、地元異業種早朝勉強会「野口塾」からと、善根はとても深そうです。その塾の一番のルールは、「学んだことを広める」事だというので、懐の深さに驚嘆します。

私も恥ずかしながら7月のテレビ取材で、不動産業者の活躍を物語にして本を書き、賞を頂き映像化したいと考えていることを公言してしまいました。そのモデルの一人は、本人の承諾は得ていませんが、野口賢次さんだと勝手に考えています。有言実行で、常に有意注意。

誰も死なず、傷つけず、見る人の心をがんじがらめに掴み取る、それで万民が納得し、ある人は積年の「はんねんち」を降ろすこと出来るきっかけになるそんな物語を書き、不動産業者の、不動産業界の世間評価を上げたいと願っています。

死人が出て、構図は違いますが、流れとしては「あかかぶ検事」の柊検事のような、和久峻三原作によるTVドラマの主人公をイメージしています。人が殺されない分、盛り上がりに欠けて仕舞う嫌いがありますが、そこをどう盛り上げるかが一番の肝です。

相続は譲る心と感謝の気持ち「野口賢次著」週刊住宅新聞社1680円

電話で相談 メールで相談