石巻の鮮魚店、心意気の復活


石巻の宮本嘉二から実に嬉しい知らせが届きました。「まつのが瓦礫を片付けた店が再開したぞ」というニュースです。5月26日の河北新報等の新聞で報道されているというので探しましたが、朝日新聞の地方版で記事を発見しました。転載させて頂きます。
石巻市の中心商店街にある鮮魚店が25日、営業を再開した。食材も資材も津波に流され、一度は諦めかけたが、再起を促したのは、おいしいものを食べたいという地元の人々の声だった。カツオ、ヒラメ、マグロ、アイナメ--。新鮮な魚が飛ぶように売れた。
この日、鮮魚店「プロショップ・まるか」には、朝から行列ができた。用意した100匹近くのカツオは午前11時前に売り切れた。60代の女性は「開店を待ってたのよ。石巻育ちだから魚がなくちゃね」。
3月11日の地震の後、社長の佐々木正彦さん(59)と妻の和子さん(64)が店を閉めて車に乗ろうとした時、津波は襲ってきた。高台へ逃げたものの、30年以上続けてきた店は津波の直撃を受けた。
高級食材、冷蔵庫やケース、自動車も流され、被害は2千万円相当。未返済の借入金が残るうえ、顧客も被災したために代金を受け取れないままだ。「もうやめようか」と思った。
主に料理店などに高級食材を卸していたが、小売りも手がけていた。漁業の町とはいえ、上物のマグロなどはあまり地元の人々の口には入らず、首都圏に行ってしまう。
そんな中でも「地元においしいものを安く」と心がけてきた佐々木さん。震災後、店を片付けていると、声がかかった。「いつ開店するの?」「また食べたいわ」
沿岸の市場や加工場は壊滅的な被害を受け、三陸の魚介類は、ほとんど入らない。午前3時、仙台市に仕入れに行くが、地元ならではの「安くてうまいもの」を手に入れるのは難しく、まだ展望は開けない。
今の気持ちを佐々木さんはこう語った。「真っ暗な海に船を出すようですね。遠くに見えるかすかな明かりが、お客さんたちの声です」(川端俊一)
佐々木正彦さんは、透析患者です。透析を続けながら、早朝3時間掛けて仕入れに行っています。あの時のトラックですよ。