GDP世界第2位の中国からのグーグル撤退か
米インターネットの検索サイト超大手の「グーグル」が、中国政府の関与が疑われるサイバー攻撃を受けたことを明らかにしたと報道されたのは、つい最近の話しです。
同時に検索サービスに対する中国政府の検閲を「これ以上受け入れるつもりはない」と表明し、中国政府の出方次第では中国市場から撤退することも辞さない強い方針を発表しました。
グーグルは米当局と連帯しており、人権問題などをめぐり、米中間の摩擦が強まりそうです。
もっともグーグルとしても、2006年に中国で本格的な事業を始めた時に、すでに中国政府からの検閲はある程度容認していたことではあります。グーグルは、ある程度の検閲が実施されたとしても、サービスの提供で利用者が受ける利益の方が大きいと判断していたようです。
それが改善されずに、人権活動家が持つグーグルのEメールアカウントに、中国政府関係者が侵入を試みていたことが判明し、ついに我慢が出来なくなったという訳でしょうか。
2010年は日本が経済規模で、41年ぶりに「世界2位」の地位を失う歴史的な年になります。問題の中国が、GDP世界第2位の日本を抜いて、米国・中国・日本の順となるようです。GDPは労働力、資本ストック、生産性(技術力)で決まります。一国のGDPは、GDP=〔一人当たりの生産(GDP)〕×〔人口〕、で成り立っているとみるのが自然です。
普通に考えて、人口が日本の10倍ある中国のGDPが日本のGDPを追い越すのは時間の問題でしたので、慌てることなく冷静に事態を受けとめたら良いと思います。日本の順位は、中国はもちろんインド、インドネシア、パキスタン、バングラデシュの次、人口で比べると、世界で10位ぐらいでも当然かも知れません。
ただし、中国が世界第2位のGDP大国に止まらず、まだまだ時間はかかると思いますがやがて米国を抜いて世界第1位のGDP大国になる可能性が高いので、これからますます中国の影響力は、注視しておかなければならないと思います。自由勝手にやらせては世界中がダメになります。
また最近の中国は世界の工場ではなく、世界の消費市場の色彩を強めています。2009年の中国の自動車販売台数は前年比44%増の1350万台と、米国の1120万
台を抜いて世界一になりました。資生堂・ユニクロ・コンビニも販売を伸ばしています。
そうすると太平洋を内海として向き合うGDP世界ピック3の米国と、中国、日本が、21世紀を通じて、どのような「太平洋の世紀」を構想できるか、という問題も同時に考えないといけないと思います。
軋轢としての油田開発や、太平洋の制海権、制空権を軍事的な意味も含め、どのように調整や構築するかという問題も避けて通れないと思います。アメリカの国債を大量に保有している日本と中国に対して、アメリカの一人勝ちは今も、これからもないでしょう。
また米国と日本の政権奪取以降の動きを見ると、民主党は明らかに中国寄りの姿勢を持っています。一方野党自民党は、逆に明らかにアメリカ寄りの姿勢を持った政党です。もっとも米国を見ても、民主党は中国寄り、共和党は日本重視という感覚があります。私は普天間基地の問題にしても、優柔不断とは見ずに、なかなか面白いぞと思っています。
成長一本の中国経済の課題としてよく挙げられるのは、①政治民主化の遅れ、②インフラの未整備、③言論の弾圧、④貧富格差、⑤外国からの投資や資本取引に対する規制、⑥民間企業への国権介入、⑦権利の侵害、⑧人治主義の闊歩、⑨科学技術力の遅れ、⑩模倣品市場、⑪エネルギーの過大消費と環境汚染、⑫国内産業の育成の遅れなどです。
グーグルの問題は、③や⑦にとどまらず、上記⑫すべてに関係する大問題だと考えています。