第5025回

里山ブームにもう一工夫

最近よく、里山歩きの話題を耳にします。団塊世代の退職が本格化し、健康管理もかねて里山へ行くという老若男女の話しをよく聞きます。昨日の日曜日、髙松紫雲ライオンズクラブのふれ愛ウォークにも、「里山女子」の高学年の部の女性が多く参加されていました。

私が開業からこちら、大変お世話になった土地家屋調査士さんも、目が遠くなったからと「廃業」されて、いまや登山家に変身しています。もともとみかん畑でみかんの手入れをしていたこともあって、足腰はしっかりした人です。かみさんの同級生も、中間町の喫茶店に30名ほどが集まり、近くの山へ登っているとか。

ところで里山ですが、登山道の手入れも有志によって進められて、俄然歩きやすくなっています。登山道はこれで良いのですが、ここで私の提案です。山の木を使えないかと思うのです。木を切ることで、もっと歩きやすくなることもあると思います。また、それ以上の効能があります。

樹木は樹齢20年頃の成長期に、二酸化炭素を最も多く吸収して大きくなりますが、成熟すると二酸化炭素の吸収能力は下がり、環境のために存在する意義も低下するため、伐採してそのあと再び植林して山を若返らすことが地球環境改善の一つにつながります。

今年もスギ花粉で悩まされている方も多いと思いますが、このスギ材を使用してコンクリート造に代わる建築物を造ろうという試みが国内で2011年頃より検討されています。2020東京五輪会場も、木造建築物になるようです。「コンクリートから木材へ」、どこかの政党スローガンのようですが。

その材は、「CLT(Cross Laminated Timber)」と呼ばれる集合材のことで、その名の通り繊維方向に揃えたラミナと呼ばれる板をクロスに重ねて接着剤で圧着した木材で、日本では「直交集成材」と呼ばれています。強度もコンクリートに劣らず、木造なのに断熱性もコンクリートの12倍以上と優れています。

最近の木造住宅では、土台以外は「集成材」と呼ばれる柱や梁が多く使用されています。しかしその集成材の多くが、輸入材で造られています。これを日本のスギ材で造り、一石二鳥から三鳥の結果を出そうと国も今年から一気に本気スイッチがONになっています。

集成材は無垢材に比べて、乾燥によるねじれや曲がりが少なく、プレカットと呼ばれるコンピュータ制御の切り込みで、精度の高い継ぎ手加工も出来るようになっています。勿論工場生産ですから、現場作業の手間も少なくなります。積み木式に、家を造るようなものです。

ヨーロッパでは1990年代から集成材が使用されて、3~5階建の中層建築やマンションに使用され、すでに10階建の高層建築物も完成しています。住宅以外のビル建築は、職人不足などの影響で高止まり常態が続き、今後多少の改善があっても現場打ちでは、大きなコストダウンが期待できるわけではありません。

そこでCLTの登場により、木造のビル建築が出来れば、現場打ちのコンクリート造で1層を造るのに1ヶ月掛かっていたものが1日で造れて、耐震性能も高いとなれば停滞するわが国の林業の救世主、地方再生、移住促進、1億総活躍社会の実現も夢ではないまさに奇跡が起こります。

そして本題ですが、山が整備されて生態系が整えば、里海が復活します。香川県の予測では、県内の海ゴミ量は1250トンと言われています。そのためには海底のゴミを獲ることや、海岸へ打ち上げられたゴミ回収も喫緊な課題となっています。ライオンズクラブでも、一部で取組はじめています。

瓶缶などの再生可能容器を使い、スーパーの買物にもエコパックを使うなど極力プラスチック製品を使わないような工夫社会を作る。そうすれば持続可能社会が出来ると思いますが、如何ですか。日本人の実力は知恵ですよ。大を求めるのではなくて、コツコツ一つゴミを拾う、賽の河原の石積みのように。

電話で相談 メールで相談