第3061回

四国新聞語りたい旅シリーズ遠藤和代さんは宮城県石巻へ

今月はじめ、地元紙四国新聞の7面ですから、きな臭い報道はありません。ライター多田とし子さんがまとめている、「旅」に関する記事ですが、多田とし子さんらしく、実にほほえましい癒される記事が多いのです。楽しみにして、縦読みでも私も必ずそこに一瞥をおくります。

その中でも新婚主婦の遠藤和代さんが、東北宮城県石巻市へ、外国航路の船員であった旦那様の上陸休暇に、上陸地の石巻港まで、会いに行った時のことが書かれています。国内の港に入って、荷役作業の間に家族を呼び寄せて、数ヶ月ぶりの会話をするのでしょうか。

もう40年前の話と言いますから、私が初めて石巻へ行った頃の、更に前になります。「そんなこともあったべさ」と、思うような記憶が書かれています。香川県の志度町(平賀源内のふるさと)から、仙台駅から続く仙石線の石巻まで、上野で乗り継いで丸一日かかったと書かれています。

上野駅での一騒動や、四国から東京までのことも書かれていますが、圧巻は石巻駅で、駅員さんに切符を渡したら呼び止められて、正直東北弁はすぐには理解できなかったと思いますが、何かがあったから呼び止められたとは感じたと思います。千キロにも及ぶ長旅の完結する直前での出来事です。緊張します。

「四国の、香川の、志度から?」と念を押されたとか。恐る恐る「そうだ」とうなずくと、「僕の嫁は志度のお寺の前の八百屋の娘なんだべ」とこぼれるような笑顔を私に向けます。それから30分、志度のことで話し込んだと書かれています。

私もここ石巻に、宮本嘉二という学友が居るのですが、遠藤和代さんの驚きと喜びは、「さもありなん」と目に浮かぶようです。いまも石巻は穏やかですが、40年前というと、仙石線で弁当を食べても、誰も注目しなかったでしょうね。

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