日銀の正副総裁が決まらない体たらくの間に世界恐慌か
国際通貨基金(IMF)が、世界金融安定報告で、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した全世界の金融機関の損失が、日本円に換算して約100兆円に達したと発表しました。ちなみに、日本国の年間税収は40兆円です。
そして、不良資産処理に向けた公的資金投入の準備を提言したのです。「1990年代の日本の金融危機に匹敵する規模」になるとも指摘しています。
以前にも小欄で、この問題は世界へ拡大すると予言したとおり、昨年10月の発表の約5倍に膨らんでいます。このことは米国だけではなく、イギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国、もちろん日本や中国までも巻き込んでいます。
サブプライムローン問題が、単なる米国の住宅ローン制度の破綻と考えると、たいしたことはありません。しかし現状は、世界の「ファンドマネー」が消えているのです。イギリスでも、中央銀行(日本では日銀)から破綻のおそれのあるメガバンクへ特別融資が始まっています。イギリスから始まった金融ビックバンも、25年後の今、イギリスで終焉を迎えようとしています。
要するに世界中の、商業用不動産や消費者金融などを組み込んだ「金融商品」全体が、その価値を下げてなお買い手が現れず、値が付かない状況です。90年代の日本の金融危機の際は、世界がまだ元気でした。だから「ハゲタカファンド」が安く買い叩きに来ていたのです。がしかし、今回は世界中が痛んでいます。壊れています。
先の「金融商品」には、いろいろなものが組み込まれています。例えれば、肉屋が、「牛肉」と「豚肉」と「鶏肉」などをそれぞれ別に切り売りしていたものを、これでは儲からないからと言って、これを混ぜて値打ち感を高めて売り出したのです。
これに格付け機関が、なぜかトリプルA(AAA)やダブルA(AA)などの格付けをしていました。これを信用して、訳のわからない「○○肉」を世界の金融機関が買っていたのです。しかしここへ来て、この格付けがにわかに下がり始めて、今では格付けが付かない状況にまで下がっています。だから処理が出来ないまま放置されて、被害が拡大しているのです。
この21世紀は、世界が一つの時代です。中国のオリンピックが危ないと、これまでなら「ざまあみろ」とうそぶいていたら溜飲が下がったのですが、今は中国がピンチに陥ったらそのまま日本の大ピンチと思って間違いがないくらい、一つになってしまっています。
日本でもそうですが、中国国内でも融資の総量規制が始まっています。また今年から「雇用法」が施行になって、福利厚生費が高騰し人件費に跳ね返っています。私の初めての中国、「深せん」でも不動産価格が下がり始めています。中国へ進出した日本企業の苦悩がさらに深まります。
こんな時に、中央銀行の正副総裁が政治の混乱で不在とは、如何なものでしょうか。80年前の世界恐慌は、何の前触れもなくやってきました。今日は9日、決してエイプリルフールではありません。